はじめに:この記事でわかること
人手不足が深刻な今、特定技能外国人材の雇用は多くの企業様にとって強力な解決策となりえます。
しかし、「特定技能外国人を雇用したいけれど、正直なところ、具体的に何から始めればよいのかわからない。。。」「書類が複雑で大変そう。。。」と感じ、最初の一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
そんな不安を抱える人事・総務担当者、現場責任者の方に向けて、本記事では2025年時点での最新情報に基づき、
特定技能外国人の雇用の全体像と具体的なステップ、必要な書類や費用の目安、注意点
をわかりやすく具体的に解説します。
また、「自社だけで支援体制を整えるのは大変そう」と感じた方に向けて、必要な手続きを代行する登録支援機関の役割や選び方を紹介する関連記事もご案内しています。
この記事を読めば、御社で外国人材を雇用する具体的なイメージが湧くはずです。
1. 特定技能外国人を雇用するための準備とは?
まず確認したい:自社が対象業種に含まれているか確認
特定技能制度で外国人材を受け入れられるのは、深刻な人手不足が指摘されている16の特定産業分野に限られています。
貴社が該当する分野かどうかをまず確認しましょう。
- 介護
- ビルクリーニング
- 工業製品製造業
- 電気・電子情報関連産業
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 自動車運送業
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 林業
- 木材産業
所属機関としての要件
特定技能外国人を受け入れる企業(=「特定技能所属機関」)は、法務省が定めるいくつかの要件を満たす必要があります。
具体的には、以下のような要件があります。
- 社会保険・労働保険への適切な加入
- 過去5年間に出入国管理法違反等がないこと
- 過去に不法就労などの不正行為がないこと
- 労働関係法令を遵守していること
- 外国人が安定的に働ける職場環境や支援体制が整っていること
これは「技能実習」と異なり、即戦力となる外国人材を、正社員に近い形で雇用できる制度だからこそ、企業側にも一定の責任が課されているためです。
技能実習や育成就労との違いなど詳細については、こちらもご活用ください。
→みなさんのよく知る「実習生」という言葉がなくなる予定です。(https://ninaite.ne.jp/blog/1112/)
→在留資格としての特定技能について(https://ninaite.ne.jp/blog/893/)
支援体制の整備も必須
特定技能外国人を受け入れる企業には、入国から日本での生活、そして仕事までを円滑に進めるための『支援計画』の作成・実施が義務付けられています。
この支援は、以下の2つの方法で行うことができます。
- 自社で支援を行う(自己支援): 企業自身が外国人の生活全般にわたる全ての支援を責任を持って行う方法です。
- 登録支援機関に委託する(外部委託): 法務省令で定められた基準を満たす登録支援機関に支援業務を委託する方法です。
いずれの場合でも、外国人がスムーズに日本での生活・就労をスタートできるよう、具体的には以下のような支援体制を整える必要があります:
- 空港への出迎え
- 住居確保の支援
- 生活オリエンテーションの実施
- 公的手続きの補助(住民登録や銀行口座開設の同行など)
- 日本語と母国語での相談体制
- 携帯電話の契約
「正直、これらをすべて社内で対応するのは難しそうで不安が多い…」と感じた方は、登録支援機関の活用を検討するのが現実的です(詳しくは記事末尾で紹介しております)。
専門的な知識や対応力が求められる場面も多いため、多くの企業様が登録支援機関の活用を検討されます。
この支援体制の整備が、外国人材の定着にも大きく影響する重要なポイントです。
2. 雇用の流れをステップで解説
求人・採用活動
特定技能人材の雇用は、まず適切な人材を探す求人活動から始まります。
初めに明確で具体的な求人票を作成し、送り出し国の送出機関などを通じて募集を行います。
その際には、日本語能力や技能試験の合格状況を確認する必要があります。
採用時のチェックリストや求人票の書き方には注意が必要です。
また賃金、労働時間、業務内容、勤務地など、日本人と同等以上の待遇を明確に記載することが重要です。
外国人材にとって分かりやすい表現(平易な日本語や、必要に応じて母国語併記)を心がけましょう。
選考時には、以下の点に注意が必要です:
- 特定技能試験または技能実習2号を修了しているか
- 日本語能力(JLPT N4相当以上)があるかどうか
- 人物像や意欲の見極め(オンライン面接を活用するケースも増えています。)
弊社NINAITEでは、40校以上の日本語学校との連携を通じて、貴社のご希望に合った人材をご紹介しています。
オンライン面談だけではなく、現地まで渡航してヒアリングを行っており、求人票の作成についても、外国人材に響くポイントや、法的な要件を満たした表現についてアドバイスを行っています。
ぜひ、こちらもご覧ください。
→ 豊富な人材データと選定力で優秀な人材をマッチング(https://ninaite.ne.jp/talent/)
→ 外国人人材採用・伴走支援クラウドサービス「TSUNAGITE」(https://ninaite.ne.jp/tsunagite/)
事前ガイダンスの実施
雇用契約前に、雇用契約の内容・業務内容・労働条件・賃金・労働時間・福利厚生・支援内容などを母国語で説明する必要があります。
ここでの誤解がトラブルの原因になることもあるため、慎重に対応しましょう。
採用決定後は、労働条件や業務内容、生活環境、災害時の対応などについて、外国人本人に対し詳細に説明する義務があります。
NINAITEでは、長年の経験から外国人材がつまずきやすいポイントを熟知しています。
経験豊富なサポート担当者が、外国人材の母国語で、日本の生活習慣やルール、災害時の対応まで、具体的な例を交えて丁寧にガイダンスを実施しております。
これにより、来日後のギャップやトラブル、早期退職のリスクを最小限に抑え、スムーズなスタートをサポートしています。
ぜひ、こちらもご参照ください。
→ 伴走支援とデータ化で定着率向上(https://ninaite.ne.jp/talent/)
在留資格「特定技能」の申請
企業側が準備する主な書類:
- 雇用契約書(和文+訳文)
- 支援計画書
- 会社の特定技能所属機関届出書、登記事項証明書、納税証明書 など
外国人本人が準備する書類:
- パスポート・顔写真
- 学歴・職歴、健康診断書
- 技能試験・日本語試験の合格証明書 など
申請は企業の所在地を管轄する地方出入国在留管理局へ行います。
郵送または窓口での提出が一般的です。審査には平均1〜2ヶ月程度かかることが多いです。
時期や状況によって変動する可能性があります。
この在留資格申請は、特定技能雇用プロセスの最も複雑で専門知識を要する部分です。
具体的な内容については、下記のリストもぜひご活用ください。
必要書類や注意点のチェックリスト(分野別)
全分野共通で必要な書類
- 雇用契約書
- 支援計画書(自社で支援する場合)
- 所属機関の届出書類
- 技能・日本語試験の合格証明書
- 在留資格認定証明書交付申請書
介護分野
- 介護技能評価試験の合格証
- 実務者研修修了証明書(ある場合)など
飲食料品製造業
外食業分野
- 食品衛生責任者の配置証明
- 食品衛生に関する説明・教育体制の整備
- 制服やまかないなど、細かい就業環境の確認
- 土日勤務や深夜勤務の有無を明示する必要あり など
特に現場との橋渡し支援が求められるため、制度理解と多言語対応が不可欠です。
お客様とのコミュニケーション能力も重視されるため、日本語能力試験(N4相当以上)の確認も重要です。
ビルクリーニング分野
- ビルクリーニング特定技能評価試験の合格
- 清掃業務における実務経験も重視
弊社NINAITEは、外食業、飲食料品製造業、農業、介護など、特に人手不足が深刻な分野において、数多くの支援実績と深い知見を有しています。
各分野特有の業務内容や職場の雰囲気を理解しているため、より精度の高いマッチングと、現場に即した支援が可能です。
実際に弊社とのご契約をいただいている方のモデルケースはこちらでご紹介しております。
→ 農業に特化した特定技能人材派遣について(https://ninaite.ne.jp/blog/921/)
→ 外国人材の活躍・受入事例(https://ninaite.ne.jp/case/)
雇用契約の締結・入国手続き
無事に在留資格が認定されたら、正式に契約を締結し、入国準備・住居確保などのサポートを行います。
入国後すぐに就業できるよう、在留許可が下りるタイミングで雇用契約書を正式に交わします。
契約時の注意点:
日本人と同等以上の給与水準を確保すること、賃金や労働時間、業務内容、休暇など、労働基準法に基づき明確に記載すること。
また、外国人材が理解できるよう母国語での説明、または併記を行うことが義務付けられています。
業務開始と支援のスタート
在留資格認定証明書が発行されたら、外国人材は日本に入国し、在留資格の取得手続きを行います。
入国後、最初に必要なのがオリエンテーションと生活支援の開始です。
空港での出迎えと在留カード交付、住居地を定めてから14日以内に市町村役場への住民登録、国民健康保険・国民年金への加入手続き、住居の案内、携帯電話の契約など、日本での生活をスムーズにスタートできるようにサポートを行う必要があります。
就業初日は、職場のルールやマナー、通勤方法、緊急連絡先の確認などを含むオリエンテーションを実施しましょう。
ここからが本格的な支援フェーズとなります。
また、日本での生活における相談対応(ゴミの出し方、公共交通機関の利用法など)、住居に関する相談、レクリエーションの機会提供など、きめ細やかなサポートが定着率向上に繋がります。
これらの支援業務は、企業様にとって大きな負担となる場合があります。特に多忙な時期や、外国語対応が難しい場合、専門知識が求められる場面も少なくありません。
「ここまでやるのは自社では難しいかも…」と感じたら、登録支援機関の活用も検討しましょう。登録支援機関を活用することで、法令を遵守しつつ、外国人材の定着を強力に推進できます。
NINAITEでは、空港への送迎から、市役所への同行、銀行口座開設、携帯電話の契約、初日の通勤同行といった、来日直後の生活に必要な手続きまで、きめ細やかにサポートします。外国人材が安心して新生活を始められるよう、『現場密着型』のきめ細やかな支援を徹底しています。
具体的な現場の様子をご紹介しておりますので、ぜひ、こちらもご覧ください。
特定技能の登録支援機関はどこを選んでも同じだと思っていませんか? どこに依頼するかで、外国人材の定着率や企業様の負担が大きく変わることもあります。
登録支援機関の役割や、信頼できる機関を選ぶポイントについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
自社での受け入れが難しい方はこちらの記事をどうぞ!
特定技能の登録支援機関はどこも同じ?選び方ポイントとNINAITEの役割
3. 雇用にかかる主な費用
特定技能外国人材を雇用する際には、主に以下の初期費用がかかります。
- 人材紹介料: 30〜60万円/人数(業種によって異なります)
- 在留資格申請費用: 10〜20万円/人数
- 渡航費用: 7〜13万円/人数(出身国によって異なります)
雇用後も継続的に発生する費用があります。
- 給与・手当: 日本人と同等以上の給与・福利厚生が義務付けられています。
- 社会保険料: 健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険への加入が必須
- 登録支援機関への委託費用: 1万円〜3万円/人月(支援を委託する内容によって一部料金が異なります)
※ 登録支援機関を利用する場合は、別途支援費用が発生します。
費用感は業種・採用人数によって変動しますが、「支援=コスト」ではなく、「支援=定着・戦力化の投資」と捉えることが重要です。
4. 雇用後の注意点と成功のカギ
コミュニケーションと文化理解
日々のコミュニケーション、そして文化や生活習慣への理解が、職場定着に大きく影響します。
外国人材との円滑なコミュニケーションは、業務の効率化だけでなく、彼らのモチベーション維持にも不可欠です。
日本の生活習慣や職場の文化は、外国人材にとって未知のものです。生活ルールや職場の暗黙のルールを丁寧に伝え、お互いの文化を尊重する姿勢が大切です。
外国人の宗教や文化、食習慣への配慮(礼拝スペース、食材選定など)も忘れないようにしましょう。
平易な日本語の使用、図やイラストの活用、そして弊社クラウドサービス「TSUNAGITE」のような翻訳機能付きコミュニケーションツールも有効です。
外国人労働者の日本語についてはこちらもぜひご参照ください。
→特定技能制度で働く外国人メンバーの日本語レベルについて(https://ninaite.ne.jp/blog/933/)
定期面談とキャリア支援
「就労するだけ」でなく、「キャリア形成」まで見据えた支援を行うことが、企業の魅力にもつながります。
月に1回以上の定期面談は義務付けられていますが、それだけでなく、外国人材が困っていることはないか、「声にならない声」を拾い上げることが重要です。
また、将来のキャリアパスを示すことで、彼らのモチベーションを高く保つことができます。
弊社NINAITEでは、これらを現場目線で丁寧にフォローし、企業と外国人双方が安心して働ける環境づくりを支援しています。
NINAITEのサポート担当者は、定期的な面談だけでなく、『TSUNAGITE』を通じて日々の相談にも対応。外国人材が抱える『ちょっとした困りごと』も早期にキャッチし、離職に繋がる前に解決へと導きます。
このきめ細やかな継続支援が、多くの企業様で外国人材の高い定着率を実現している理由です。
5. まとめ:制度理解×現場力で、雇用の成功を
いかがでしたでしょうか?
この記事が、少しでも皆様の疑問や不安を解決する内容になっていましたら幸いです。
特定技能外国人材の雇用は、複雑な手続きや準備が必要ですが、人手不足の解消と、職場の活性化に繋がる大きな可能性を秘めています。
実際の雇用には、制度への理解と、実際の支援体制の両輪が求められます。
重要なのは、法的な要件を満たすだけでなく、外国人材が日本で安心して長く働ける環境を整えることです。
株式会社NINAITEは、特定技能制度の創設当初から、全国の企業様と外国人材の橋渡し役を担ってきました。
この豊富な実績と現場の知見、そしてクラウド支援サービス「TSUNAGITE」を始めとする独自の支援体制で、貴社の外国人雇用をワンストップで伴走します。
また制度を熟知した専門スタッフが現場と外国人の間に立ち、丁寧かつ柔軟なサポートを提供しています。
特定技能外国人の雇用は、「制度が難しそう」「手間がかかりそう」という印象を持たれがちですが、正しく手順を踏めば、想像以上にスムーズに進められることも多いのです。
とはいえ、すべてを社内で完結するのは、実際にはかなり大変です。
そんな時は、専門家や登録支援機関の力を借りることが、失敗しない第一歩です。
「書類手続きが多そうで不安…」「どの人材を選べばいいか分からない…」そんな時は、ぜひ一度NINAITEにご相談ください。専門家が無料でご相談に応じます。
→ お問い合わせ(https://ninaite.ne.jp/contact/)
「手続きは理解できたけど、自社で全てを担うのはやっぱり大変そう」と感じた方は、特定技能の支援を専門とする「登録支援機関」の活用がおすすめです。
しかし、どこに依頼するかで結果は大きく変わることも。信頼できる登録支援機関の選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
特定技能の登録支援機関はどこも同じ?選び方ポイントとNINAITEの役割
よくある質問・FAQ
雇用後の外国人材とのコミュニケーションにおいて注意すべき点は何ですか?
日々のコミュニケーションや文化・生活習慣への理解を深め、相手のモチベーション維持や文化を尊重する姿勢が重要です。簡単な日本語の使用や多言語対応のツールも有効です。
特定技能雇用にかかる費用はどのくらいですか?
初期費用には人材紹介料30〜60万円、在留資格申請費用10〜20万円、渡航費7〜13万円が必要です。また、雇用後は給与・手当、社会保険料、登録支援機関への委託費用などが継続的に発生します。
特定技能外国人を雇用するためのステップは何ですか?
雇用の流れは、求人・採用活動、事前ガイダンスの実施、在留資格の申請、雇用契約の締結、入国手続きと支援の開始、業務開始と支援のスタート、定期面談とキャリア支援の段階を踏みます。
特定技能外国人を雇用するための準備とは何ですか?
特定技能外国人を雇用するための準備には、自社が対象業種に含まれているかの確認、所属機関としての要件の満たし支援体制の整備、支援計画の作成などが含まれます。